小説は単行本より断然文庫派ですが、なかなか硝子の塔の殺人が文庫化されないので、図書館で単行本を借りて読んでしまいました。。
ミステリー界隈でも話題になっているこの作品、ましてカラクリ建築舞台のミステリーとかもうたまらん私にとって、文庫化が楽しみで首を長くして待っていたわけですよ。
文庫の方が、コンパクトでポケットにも入る持ち運びしやすさがいいんですがね~
内容としては、建物のギミックを、謎としてフルに活かした力作だと思います。建築好き&ミステリー好きにとっては二度美味しいコアラのマーチ的な作品。決着ついて、純粋なミステリーとしてはちょっと弱いかな、、と思っていたら作者もそれを十分承知、それを逆手に取るような大どんでん返しが素晴らしい。作中でも突っ込まれていましたが火災予防条例や建築基準法を思いっきり無視した作りでも、それを突っ込むのは野暮ってもの。
有名なミステリーの引用や、パロディも有り、ミステリーについてある程度知っている人なら思わずニヤリとしてしまう。特に
綾辻行人:十角館の殺人 は先に読んでおくと面白いです。